オーストリア映画 「Hotel」 

オーストリア映画 「Hotel」 を見ました。
Hotel
Hotel
監督:Jessica Hausner
上映時間:83分
http://www.coop99.at/hotel-derfilm/

不気味なミステリー映画。映画の宣伝文によれば「ヒッチコックのサスペンススリラーとキューブリックスの『シャイニング』の中間をいくミステリー映画」とある。

主人公のイレーネ(Franziska Weisz)は人里離れたホテルに、レセプショニストとして就職。前任者は謎の死を遂げたばかりである。森に囲まれたこのホテルは、山道入口付近に面している。この森はグリム童話の森に繋がる。鬱蒼と生い茂り魔力を持つドイツ・オーストリアの森。イレーネは着任当初から、前任者の死の謎と、このホテルが持つ得体の知れぬ不思議な雰囲気に囚われる。その謎に迫ろうと、彼女は前に進んでいく。恐れと好奇心が混ざり合う。その先に待つものは死であるにもかかわらず…。しかし、その結果も「彼女の意思」により導かれたのであり、同時にそれが「彼女の運命」でもある。

目に見えぬ存在と恐怖を(映)画にした実験的作品といえる。画面には、常に人知を超えた存在がまとわりつき、何かを予期させるが、それが何であるか語られることはない。

「誰もが(事象に対して)その隙間を埋め、関係性を見出し、説明を加えようとする。そして、私達を超越した、強力で、未知のものを信じることで、平凡さから解き放たれること望んでいる。
本作品はまさにその『さらなるもの』、つまり、得体が知れず、未知であり、全容を現すことのない力に焦点をあてている。
日常生活の表面化には、未知の大いなる計画が潜んでいるようであり、その力は私達よりも強いように思えるが、私達がそれを知ることはない。いや、そのようなものは存在するとは限らない。誰も知りようがないのだから…。」

という監督のコメントから論理性への、また「一般的思考」への抵抗が伺える。そしてまた、真実を限定し、語り尽くすことへの懐疑がある。

語り尽くす映画が多い風潮にあって、論理性や合理性、当然であることへの懐疑を提示した点で新鮮、且つ興味深い映画。加えて正直に述べると、このコンプレックスこそ、まさにウィーン人監督らしいとでも言えようか。

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